AIRE通信Vol.55

~安心の先へ、もっと役立つ~

いつもお世話になり有難うございます。高温多湿の過ごし難い季節を迎えましたが、皆さま如何お過ごしでしょうか?熱中症による死亡事故のニュースが流れてきております。適度な休息と水分補給を心掛けて参りましょう。

また、近年大雨による災害が頻発しております。今年の2月は低温の日々が続きました。冬の寒い年は、夏が暑く雨量も多いという説もあります。これから、秋の台風シーズンまでは、大雨の予報には注意が必要ですね。

ところで、今マーケットでは値上げラッシュです。円安に加え、原油高・ウクライナ情勢などで輸入品の価格が高騰していると言われます。これらで恩恵を受ける分野もあるのでしょうが、一般消費だけを考えると少し負担が増加している感じがします。

あらためて今は世界の情勢があらゆるシーンで繋がっていて、これらの影響を強く受ける時代であることが実感できます。私達AIREも様々なニュースを敏感に感じ取り、情報をタイムリーにお伝えして参りたいと思います。今月も宜しくお願い致します!!

今月のTOPIC

「粒子線治療」の現在

粒子線治療については、陽子線治療が平成13年7月から、重粒子線治療が平成15年11月から、限局性固形がんを適応症として高度先進治療として開始され、平成24年10月以降は先進医療Aとして実施されてきました。

平成28年度診療報酬改定時に一部の適応症(小児腫瘍に対する陽子線治療、切除非適応の骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療)について保険適応するとともに、比較対照を厳格に設定するなど重点的な評価が必要な適応症(前立腺がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん等)については、先進医療Bに切替えて実施する事としました。

その後も適宜、診療報酬改定時に見直しが行われ、頭頚部腫瘍のように外科治療の難しい腫瘍については、粒子線治療が有効であることが広く浸透してきました。

そして本年4月より、肝内胆管がんなど5つのがんについて、全額保険適応としました。粒子線治療の適応対象拡大は4年ぶりです。具体的には大型の肝細胞がんや手術後に局所再発した大腸がんなどが新たに対象となります。いずれも切除困難である場合に限られますが、約300万と言われる照射費用が保険適応になることにより、治療の選択肢は大きく拡がりました。

まだ日本には25か所(重粒子線6か所、陽子線18か所)と治療施設が少なく、多くのがん患者が利用するには課題もありますが、より身近な治療になって来ているようです。